このパソコンを友だちに見せ、「お値段いくらでしょう?」と聞いたら、ほとんどの人が”5万円ぐらい?“と答えました。
ハズレ~ 27,777円(税別)です!
・・・ん? え? にまんななせんえん?
そんな耳を疑うような激安ノートパソコン、ドスパラの「Altair(アルタイル) VH-AD」を体験レビュー!
スペック
まずはスペックを見てみます。
非常に安い価格ですが、中身はしっかり最新版です。
OSは最新のWindows 10を搭載していて、届いてすぐに使えます。もちろん最新のWindowsなので、サポート期間も十分に長い。
メインのプロセッサ(CPU)はこれも最新の微細化技術を使用した、超省電力タイプのIntel Celeron N3150。発熱が少なく、長時間の駆動を実現します。また内部の”コア”は4つ搭載され、複数のソフトを立ち上げても切り替えが軽い。
メモリは2GB、ストレージが32GBと、このあたりはノートPCとしてはちょっとギリギリな感じです。ですが、タブレットPCでは多くが32GBだと考えると、目的を絞って使えば実用になる範囲だと言えます。
項目 | スペック |
---|---|
OS | Windows 10 |
CPU | Celeron N3150 (4コア / 4スレッド) |
メモリ | 2GB |
メモリスロット (空きスロット) | 0 (0) |
ディスプレイ | 14インチ HD光沢 |
ストレージ | 32GB eMMC |
解像度 | 1366 x 768 |
ポート類 | USB2.0 x2、USB3.0 x1、HDMI、SDカードリーダー |
Bluetooth | あり |
無線LAN(Wi-Fi) | 802.11 b/g/n |
有線LAN | なし |
サイズ | 340.6(幅)×237(奥行き)×25.9 mm |
重量 | 約1.6kg |
デザイン
デザインを見ていきます。この金額なので、「どうせペラペラのプラスチックで、質感のカケラもないボディなんだろうな」と考えてしまいますが、さにあらず。
まず天板はおしゃれなホワイト。
表面はサラッとしたさわり心地に仕上げられており、質感は上々。安っぽさはまったく感じません。
フロントと背面には、あえて内側の黒い色を見せるように切り落とされています。
白と黒のコントラストで引き締まって見えます。
持ちやすい薄さ
厚さは25.9mmに抑えられており、薄型で非常に持ちやすい。
薄めのカバンにもラクラク入れられそうです。
重量は約1.6kgと、多少重みは感じますが、毎日持ち歩くのに無理がない範囲です。
意外にキレイなディスプレイ
パカっと開けると、表とは対照的に濃いグレーで仕上げられています。
他メーカーには内面もホワイトで統一されたパソコンがありますが、屋外では光の反射がまぶしく、疲れを感じさせることがあります。僕としては内側の濃い色は歓迎です。
ディスプレイは14インチの光沢タイプ。タッチパネルには対応していません。
まずまずの色の深みがあり、色味も破綻なく、これまた27,777円という価格を感じさせません。高級ディスプレイに見慣れた人にはすこし色が浅く感じられるかもしれませんが、初めて使う人にはまったく気になることはないでしょう。
上側、横側の急な角度から見ると色の反転、白っぽくなるなどの現象が見られますが、ノートパソコンはほとんどの場合正面からしか見ないと思われますので、実用上問題ないはずです。
キーボード
キーのサイズも大きく、打鍵感も軽くて打ちやすい部類です。
キーストロークは1mm以上あり、適度な押し心地があります。
キーボードは右下部や特殊キーなどが、細くなったり、逆に幅広になったりと、多少イレギュラーなサイズが見られます。そのため使い始めは、小指の操作で他のキーを押してしまうことがありました。
使い慣れれば問題ありません。
そもそもブラインドタッチで打たない人は、気になることすら無いでしょう。
タッチパッド
タッチパッドは1プレートタイプ。マウスの追従も良く、2歩指でのスクロールにも対応しています。
左下、右下を押し込むと、左/右クリックができます。他メーカーに比べ押し込みは軽めで、僕は好みです。
ただ、クリック音が「パカッ、パカッ」というような大きめの音で、クリックしまくっていると隣の人が気になるかもしれない音です。電車や図書館などでは、軽くトンっと叩くタップ操作を活用したいところ。(音には個体差もあるかもしれません)
ポート類は左側に集中
拡張ポートは全て本体左側に集中しています。
- USBポート 3つ(USB3.0✕1、USB2.0✕2)
- HDMIポート
- SDカードリーダー
を搭載。
すべてのポートが左側なので、例えばケーブルの短いUSBマウスなどを使う際、左から右まで引っ張ってこなければならず、長さがギリギリになってしまうかもしれません。機材を購入する際には注意が必要です。
ポートの間隔は余裕があり、大きなUSBメモリでも鑑賞することはありません。
自分でSSDやHDDの増設も可能
32GBのストレージは物足りない、と書きましたが、なんとこのAltair VH-AD、自分で2.5インチのSSDやHDDを増設可能なのです。
HDDマウンタもしっかり付属。この辺りは「さすが自作ショップも運営するドスパラだな」と感じます。(パソコンマニアの中には、わざわざ激安なパソコンを買い、どこまでパワーアップできるかを競い合っている人たちがいます)
最近では120GB SSDが5,000円前後で売られていますから、ある程度の知識があれば、容易に拡張して十分なスペックのPCにアップグレードすることができます。
SSD/HDDの厚さは7mmまで。ただし追加行為は保証対象外となります。
(標準保証が無効になるというわけではありません。追加してOSなどが不安定になっても保証しません、という意味です。また接続ミスでマザーボードが故障した場合などは、有償修理となる可能性があります)
とはいえ増設は、慣れた人には簡単ではありますが、ある程度の技術や知識は必要になります。不慣れなら、写真や動画はUSB HDDで持ち運ぶという手もあります。また、クラウドストレージ(One DriveやGoogle Drive)に詰め込んでおくという手段もあります。
またもっと手軽に、最初から120GBの大容量SSDを搭載した39,800円(税別) の上位機種を選んでおけば確実です。
どんな作業が可能か?
スペックや外観を見てきましたが、最終的に気になるのは「どんな作業ならできるのか?快適度はどのくらいか?」という、実際の使用感覚でしょう。
Altair VH-ADではどこまで作業できるのか、リストにしてみました。
◎・・・快適に作業可能
○・・・たまに重い場面がある
△・・・かなり重さを感じる場面がある
×・・・ほぼ動作不可能
作業 | 快適度 |
---|---|
インターネットブラウジング | ◎ |
メール | ◎ |
ブラウザゲーム | ◎から○ |
YouTube、ニコニコ動画 | ◎ |
写真管理 | ◎ |
DVD映画鑑賞 | ◎ (別途ドライブが必要) |
音楽鑑賞 | ◎ |
動画編集 | △から× |
事務作業 エクセル、ワードなど | ◎ (ソフトは別売り) |
一般3Dゲーム | △から× |
写真の編集 | ○ |
学校や塾の勉強 | ◎ |
いかがでしょうか。この価格でも学校や、ごく普通の家庭で求められるような作業なら、たいていこなすことができます。
ただ、ストレージ容量が32GBと少ないので、オフィスソフトなどを入れるとソフトだけで埋まってしまい、データがあまり入れられません。写真や動画もかなり苦しいでしょう。
買ったばかりの状態でも、残り容量はわずか11.7GBしかありません。
繰り返しになりますが、メイン機として長く活用したい!という希望を持っているのなら、容量120GBの上位機種を選んでおくのがベストでしょう。
ベンチマーク
ベンチマークも計測しましたので掲載しておきます。
軽いテストでは十分な映像でした。
ライトなゲーム、ブラウザゲームなら十分にプレイ可能でしょう。多少のコマ落ちは見られると思いますが、遊べないほど遅すぎはしないはずです。
驚くのは、かなりガクガクではありますが、最上位のFire Strikeが完了したこと。かなりのポテンシャルを秘めていると言えそうです。
WTS的まとめ
最初にこの金額を見た時は、「どうせ使えないぐらい遅いパソコンを、客寄せで作ったんだろうな」という気持ちがありました。(失礼しました!)入手してみたらビックリですね。まずボディがホワイト塗装だったのに驚きです。絶対にただの黒プラスチックだと思ってました。
パソコンはたま~にしか使わないのに、5万円も出して買うのはなぁ・・・と思っているなら、アルタイル VH-ADはちょうどよい選択肢になるはずです。